みなさま、メタバースを知っていますか?
1992年に初めて登場したメタバースという言葉は、現在は「コンピュータやインターネット上に作られた3次元の仮想空間やサービス」を指すことが多いです。メタバースの中では自身の分身である「アバター」がその空間の中で活動できます。
どこからどこまでがメタバースなのかという明確な定義は決まっていませんが、分かっていることは、
- インターネット環境やエレクトロニクスの発展によって、小説の中の世界だったものが身近にせまっている。
- 今後は自身や家族含めて普段の生活に無くてはならないものになる。
ということです。家族が増えたり、親が高齢になる30代・40代の方には特に意識してほしいです。
この記事を読み、メタバースやそれを取り巻く情報を正しく理解し、時代に取り残されないために、なるべく早くメタバースに触れてみてください。
メタバースを知ろう:イメージ~できること
メタバースのイメージ
下図はメタバースを取り巻く周辺環境をイメージ図にしたものです。
ユーザーは、開発者が作った仮想世界にパソコンやスマホを使いインターネットで接続し、仮想世界の中ではアバターとして活動します。このサイトでは、仮想世界の中で他者と会話したり、一緒に行動できる空間やサービスをメタバースと定義しています。
仮想世界は完全に作られた現実(VR:バーチャルリアリティ)と現実世界をベースに拡張した現実(AR:オーグメンテッドリアリティ)があります。VRの代表としてFORTNITE / フォートナイト、ARの代表としてポケモンGOのイメージを下図で解説しています。
メタバースの定義はあいまいですが、私としては仮想世界の中に複数のアバターが交流できる環境は、VRもARもメタバースと呼んでよいと考えています。
いま時点のメタバースでできること
メタバースの代表格はゲームです。上で紹介したフォートナイトは、1つのフィールドで最大100人のバトルロワイヤルが楽しめるのがメインコンテンツで、協力して世界を救うモードもあります。また、クリエイターモードで各ユーザーがオリジナルのコンテンツを作ることができます。
フォートナイトではお金を稼ぐことはできませんが、例えばThe Sandboxではゲーム内で作成したアイテムを現金に換金できる仮想通貨で売買ができます。
仕事の観点で見ると、Meta社(旧Facebook社)のHorizon Workroomsに代表される、次世代オンライン会議としてメタバース内で会議をするサービスがあります。
同じく次世代コワーキングスペースとして、メタバース内のバーチャルオフィスサービスも出てきています。
下は各コンテンツのイメージ図です。
Meta社には{Horizon Workrooms}{Horizon Worlds}{Horizon Venes}の3つのサービスがあり、いまは3つのサービスのアバターは連携できませんが、将来は共通になる見込みです。さらにセキュリティやルールが整備されてくれば、各社が作るサービスに共通のアバターで活動ができるようになるでしょう。
いまメタバースを始めるべき5つの理由
5つの理由=5つの効果が期待できる
いまメタバースを取り入れると、以下の効果が期待できます。
①心の充実
メタバースでは好きな自分「アバター」になれ、さまざまなクリエイターが作った世界を楽しめます。現時点ではこの部分が大きく占めていますが、今後は下図のようにメタバースがもたらす効果の割合は変化します。
②スキルアップ
メタバースではだれでもクリエイターになれ、自分の商品をメタバース内で商売ができます。うまくいけばお金を稼ぐことができます。
③仕事が増える
メタバースが拡充すると、医療・介護・教育のシーンで需要が増えます。デバイスやサービスの開発者だけでなく、VRアーティスト・VR機器の操舵者やVR経験者としてコンサルティングの仕事につながります。
④自分・家族のために
身体の衰え、身体に何かあった時にメタバースがより身近になる可能性があります。
⑤SDGs:世界のために
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略で、簡単にいうと、より良い世界を作るための目標です。SDGsの17のGoalのうち、No.3の健康と福祉、No.4の質の良い教育、No.5のジェンダー平等を始めとしてメタバースで実現できることは多いと考えられます。
メタバースには、自身や家族のためだけでなく、より良い世界を作る効果があります。
5Gでメタバースの進化が加速する
下図はメタバースが発展するイメージ図です。メタバースは通信速度・一度に通信できるデータ量・接続機器の性能・開発スキルの向上により進歩します。
移動通信ネットワーク(モバイルネットワーク)は10年に1世代進んでおり、2020~2021年は5Gがスタート、2030年には6Gが導入されます。
移動通信回線5Gは4Gの20~100倍の速さと言われており、固定回線の光回線よりも速くなりました。移動通信サービス契約数のうち、5G契約数が半数になるのは2025年ごろと予想され、多くの人が場所を選ばず高速通信が出来るようになります。
メタバースはエンタメ・ゲームだけではなくなる
5Gは「超高速」、「多数同時接続」、「超低遅延」が柱となっています。4Gまではアクセスが集中すると通信速度が落ちましたが、5G以降ではそれが改善されます。
5G通信環境ではだれでも、外にいてもさまざまな遠隔操作がタイムリーにできるようになります。メタバースもゲームやエンタメにとどまらず、進化し続けます。
介護関係では、VRを使ったサービスが展開されています。例えばRehaVRです。
RehaVRはVRゴーグル+足こぎペダルを使い、室内でも外を歩いている感覚でリハビリができるサービスです。
VRゴーグルの軽量化が進めば、VRゴーグル+ルームランナーで室内でも外を走れるサービスも出てくると予想されます。
教育のシーンでもVRを使った疑似研修が行われています。離れた場所から疑似体験できる仮想世界で、高度な体験や指導ができるようになります。
VR操作・メタバース経験値が高ければ、職種やサービスができたときに活躍の幅が広がると考えられます。
すでにVRアーティストという職種があり、第一人者である「せきぐち あいみ」さんのVR空間上に描いた3Dアートが、1,300万円相当で売買されていました。VRアーティストのパフォーマンスは、下記の動画が参考になります。
下のリンクは、VR専門のスカウトサイトです。VR操作を磨けば、あらたな就職先が見つかるかもしれません。
まだ実用はされていないですが、小説がアニメ化された『ソードアート・オンライン』に出てくるように、病気で寝たきりの患者さんとコミュニケーションを取るために仮想世界を利用するサービスが出てくると予想されます。
自分自身もさることながら、親や子に何かあった時にメタバースがより身近になる可能性があり、他人事ではありません。
なるべく早くメタバースやそれを取り巻く環境に慣れ、正しいタイミングで正しく利用できるように準備しましょう。
【紹介編】まずは仮想世界・メタバースを意識する
とっかかりは何でもよいのですが、仮想世界のメリット・デメリットを理解した上で実体験した方がよいです。
最大のメリットは、現実世界にとらわれることなく自由に活動できることです。クリエイターの数だけ仮想世界がありますし、身体に不自由があってもアバターは動くことができます。
自由に対するデメリットは統制が取れないことです。作られた世界には、例えば警察がいないので「抑止力」がなく、怖さも存在します。
メリット・デメリットを知るおすすめの方法は、アニメ・映画を見てみることです。アニメ大国の日本には、仮想世界を取り入れた作品がたくさんあります。メタバースの本を読んでもピンとこないですが、アニメならたのしく視覚・聴覚で仮想世界を意識することができます。
仮想世界を取り入れた作品(アニメ・映画)を紹介していきます。アニメも映画も取り扱っているAmazonプライムビデオとU-NEXTで見放題対象になっているかも紹介するので参考にしてください。
有名なのは『ソードアート・オンライン』です。原作の小説は2002年から執筆され、アニメは2012年から放映されており、原作はまだ完結していませんのでまだまだ楽しめます。2023年1月の時点で合計100話分を超えるので網羅するのは大変ですが、作中で扱われる用語や機器の仕組みは勉強になります。U-NEXTで2021年の劇場版以外が見放題対象です。
- 2012年シーズン:25話
- 2014年シーズン:24話
- 2017年:劇場版
- 2018年シーズン:24話
- 2019年シーズン:23話
- 2021年:劇場版
最近のものだと2021年に映画放映された『竜とそばかすの姫』もおすすめです。2023年1月時点では、プライムビデオは見放題対象で、U-NEXTはレンタル対象です。
現代社会をベースにするAR関係では『電脳コイル』もおもしろく、U-NEXTで見放題対象です。
2023年1月時点では見放題対象のサービスはないですが、2009年に映画化された『サマーウォーズ』もおもしろいです。ストーリーだけでなく、仮想世界・AIプログラム・アバターを早く動かす為に必要な機器の知識を得るにも最適です。
表中のおすすめ4つの作品を概要紹介します。
ソードアート・オンライン概要紹介
(プライム:有料、U-NEXT:見放題)
仮想世界を舞台にしたバトルやデスゲームが繰り広げられる作品です。シーズンによって仮想世界にアクセスする機器が変わり、通信やVR、AR、人工知能に関する用語もたくさん出てきますので、すごく勉強になります。
最初はヘルメット型のVRゴーグル:ナーブギアが登場します。アバターの操作は、自分の意識を脳波に変換した信号で行い、身体を動かす必要がありません。作中にしばしば出てくる「フルダイブ型」というのが、脳波を使ってアバターを動かす手法になります。ナーブギアは脳をすっぽり覆うため、現実世界の身体に脳波を使って影響を与えることができるという怖い面も取り上げられています。
続いてヘッドバンド型のVRゴーグル:アミュスフィアです。アバター操作は「フルダイブ型」です。接続機器の形としては、これが現代のVRゴーグルに近いです。脳をすっぽり覆わないのでナーブギアよりも安全性が高くなっていますが、「フルダイブ型」の弱点である生身の身体が無防備になる問題を取り上げています。
2017年の劇場版では、耳掛けタイプのARゴーグル:オーグマーが台頭し、ARとVRの違いとメリット・デメリットについて理解できます。
仮想世界が医療用や人工知能を育てるフィールドとしても描写され、これからの仮想世界・メタバースの方向性も視覚的にイメージしやすいです。仮想世界と現実世界のそれぞれをどう向き合っていくか、バトルやデスゲームを通じて理解が深まりますし、笑いあり感動ありで純粋にストーリーがおもしろいです。
下のYoutubeはアニプレックス公式のロングVerのPVです。これを見たら雰囲気がつかめると思います。
詳細の紹介は別記事で書く予定です。
竜とそばかすの姫概要紹介
(プライム:無料、U-NEXT:有料)
スマホと専用イヤホンで登録できる仮想世界『U』が舞台。専用イヤホンはユーザーの意識ごとを仮想世界に飛ばすことができ、アバターを通じて実体験している感覚を味わえるVRデバイスです。描写はありませんが、こちらも脳波をキャッチするタイプでしょう。
仮想世界の新しい自分で特技を使ってお金を稼ぐシーンもあり、どう自分をプロデュースしていくかも勉強になります。また、仮想世界にはしない警察の代わりの抑止力として、「アバターの素顔をさらす力」の存在の描写があります。
主人公の特技は歌であり、音楽やミュージカルが好きな方なら楽しめます。主人公の弱った心が、仮想世界での経験で強くなっていくのが見どころです。
電脳コイル概要紹介
(プライム:有料、U-NEXT:無料)
現実世界を拡張するAR空間が舞台。「電脳メガネ」というアイテムは現代のARグラスといってよく、現代技術から逸脱していないし、近い将来で子供たちが体験する日常や事件が取り上げられているので身近なものとして感じれます。
サマーウォーズ概要紹介
(プライムビデオ:有料、U-NEXT:有料)
PCやゲーム機から接続する仮想世界OZの話。仮想世界やアバターは3Dで形成されているが、ユーザーはゴーグルではなくモニターを見て楽しむので見え方は2Dとなります。
アバターの操作は端末(PC、ケータイ)のキーボードやボタンで行うタイプで、端末や通信性能によって変わるのを表現しており、高速通信・低遅延の大事さがイメージできます。
レンタルのみですし、モニターやアバター操作の観点で世代が古いので、興味があれば見てもらえれば!
海外含めたコンテンツまとめ
2023年1月時点の代表作をまとめました。
おすすめの作品を見れば、仮想世界、VR、ARの知識はかなり増えると思います。
表のとおり、プライムビデオとU-NEXTの両方が使えるなら一番よく、コスパよく併用するなら下記リンク記事が参考になります。
【併用のすすめ】U-NEXTとAmazonプライムは両方契約することで初めて最強になる
知識が増えたところで、次は導入し応用していくフェーズになります。この先は別記事にしますので、そちらを確認お願いします。
この記事を読んで、メタバースでできること・メタバースを始めるべき理由がわかったと思います。
純粋に映画やアニメ・ゲームのコンテンツを楽しむもよし、コンテンツを作り自分のスキルを上げたり、お金を稼ぐもよし。まずは何でもいいから初めてみてください。
メタバースを知り、経験することで自身と家族の未来を切り開く力になるはずです。
メタバース各種の最新情報を知るには
こちらの記事が参考になります。
メタバース・XR(VR・AR・MR)の最新情報サイトまとめ
最後までみていただき、ありがとうございました。